1.事の発端

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買い物を済ませ、景子は家に戻った。今日は野菜炒め。 「はー、毎日毎日料理も大変だわ」 そう漏らしながら台所に立つ。 下ごしらえが終わったら次は干していた洗濯物入れ、たたみ。 「ちょっと休憩…」 コーヒーを入れ、お菓子と一緒にテーブルへ。景子にとって、この時間がたまらない。 「この時間ないと主婦なんてしてられないわー。なんてね」 毎日の家事にコーヒーとお菓子がつくものだから、学生の頃は「スレンダー」と言われていた景子の体は、結婚前に比べ一回り大きくなってしまった。 「ま、元々痩せ過ぎてたのよね。」 そう言いながらお菓子を摘む手は止まらないのであった。 .
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