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俺が髪の毛を伸ばしてるのには、ワケがある…。
浦は長い髪の毛の女の子が大好きやと聞いたから…。
いつか浦に撫でてもらいたくて、伸ばしてる……。
でも、いつかはなんて…夢のまた夢…。
解ってほしいのに、解ってもらえなくて、この思いはいつか消えてしまうんやろうか……。
消えてほしくないなぁ…。
少しでも、可能性があるのなら…。
よし!!!
怖いけど、ウジウジと悩んでるなんて、俺らしくない!!!
スパっ!!!と言っておもいきり玉砕したらスッキリして、次に進める…。
……次があるか解らへんけど…。
「よし…!!!」
俺は気合いを入れて、震える手を抑え、浦に電話をして呼びだした。
もうすぐ、浦が来る…。
冷たくなった手を擦り待っとったら、浦がやって来て、ポケットから暖かい缶コーヒーを渡してくれた。
「金ちゃん、寒いでしょ?
だからコレ…あったまるよ。」
「あ、ありがとう…。」
…あぁ…この優しさがすごく辛い…。
今……言ったら…全て失ってしまう…でも…でも……。
「金ちゃん?どうしたの?
そういや…大事な用って…?」
不思議そうに浦が、俺を覗き込む…。
言わな…ホンマの俺の気持ち………。
「金ちゃん?」
俺は、赤い顔で浦を見つめた。
「浦!!
実は俺…浦の事が…!!!」
「待って!!!!」
浦が強く言うから、俺は黙ってしまい、言葉が出なくなってしもた。
「金ちゃん…その先って…。」
…浦…すごく言いにくそうにしとる……。
[終わってしもうた]
俺はそう確信すると、目を閉じた。
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