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(けっこう長い付き合いだけど、今だにこいつの考えてることがわからん)
会話が続かないまま歩いているとドンッと何かがぶつかってきた。
「おっと」
ぶつかってきたのは少年。単に驚いただけのトールだったが、ロキの反応は違った。即座に少年を追いかけ始めた。
「おい、ロキ」
「スリだ」
話し掛けた瞬間に答えるロキはトールが今まで見たことがないほど怒っていた。直情的なトールと違い普段あまり感情を見せないロキの姿にトールは驚きを隠せない。
大通りを疾走する少年と大の大人二人。大人二人の方に分がありそうに見えるがこの少年、速い。それに加えて、小柄な体躯を生かし人の波をすり抜ける。
「待ちやがれクソガキ!!」
「う、うわあぁ」
(あいつ……こんなキャラだったか?)
必死で少年を追う彼の姿にトールのなかでクールなロキ像がガラガラと壊れていく。
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