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ロキは顔をゆっくりと左右にふって席を探しているようだ。
その様子に、男は満面の笑みで手をぶんぶん振りながら彼に声をかけた。
「おい!ロキ、こっちだこっち」
混んでいる店内でさえわかる男の声に彼はそちらを向く。
男が自分の隣の席をばしばし叩いているのを見て一つ頷くと人の波をすり抜けるようにして男の元へ向かった。
男のテーブルの上に山のように積まれている空の皿を見て、店員を呼びそれらを下げさせる。
男のテーブルの状態はいつものことのようで、彼に別段驚きはない。
悪い悪い、と全然悪いと思っていなさそうに謝る男を一瞥し、彼は自分の食事を摂りはじめた。
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