第一章

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不登校とういうわけでもなく、クラスで孤立しているわけでもない。 動物をいたぶって殺したり、スーパーのトイレでお産して内容物を棄てたり、躾の一環で我が子を餓死させたり、幼女への欲情を行動に出したりするような人間ではないと、僕は自身を分析しているし、その分析結果は間違いないと確信している。 それは僕の知人も同じ評価をしてくれるだろう。 少なくとも僕が歪んでいたとしても、僕より大きく歪んでいる人はいると思う。 それくらいは胸を張って自負できるぜ。 それくらいしか胸を張って自負できないぜ。 あれ? ちょっと涙腺が何故か機能しだした。 誤作動か? 何にしても、そういう人たちを差し置いて僕が解消される対象となるのはどうかと思う。 そのことを白黒乙女に言ったら、彼女は井戸端会議で現れるような笑顔で返答。 「貴方に比べたら首輪を付けた裸の幼女を四つん這いにして散歩する人の方がよっぽど健康的です」 頭痛を伴う返答だった。 どうやら彼女から見て僕は相当に歪んでいるらしい。 どうやって解消するのかと訊くと、暫くの間、勝手に付きまとって方策を決めると答えた次第で、言葉通り勝手に付いてきている。  
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