第一章

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そんなわけで、僕はスタスタと白黒少女の隣を歩いて追い抜く。 あ、描写し忘れたけど、間違いなく少女だ。 年齢は多分13か14ってところ。 身長は150cmってところの痩せ形少女です。 以上、この少女との出会いは終結する。 つまり、“起”が終わりってこと。 なので“承”の始まりとして、追い抜いた僕を追い抜かれた障害物は何の用があるのか、僕の後ろ腰に抱きつくようにタックルしてきて、お陰で僕は前に“転”ぶ“結”果となった。 起承転結が終わったため、この物語はここで幕を閉じるというのは冗談だ。 前へと倒れゆく僕は腕で顔を覆う。 端麗なわけでもない顔の防御を最優先するのはやはり生物の本能なわけで、それは僕が生物の一員であることを物語っている。 良かった。 この先進国の住人は生物の本能的な衝動が摩滅気味だけど、僕の防衛本能は錆び付きながらも稼動してくれた。 出来れば倒れないように稼動して欲しいけど、錆び付いた状態じゃあこれが精一杯だ。 ホームセンターに行けば錆びとりが有るかな? まぁでも、今僕がすべきことはこんな無駄な確認ではない。  
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