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信用度が地の底というか海溝の底と、零じゃなくマイナスな白黒ガールの手を使用する気にはなれず、僕は自身の四肢のみで体幹を道路に対して垂直な関係へとする。
要するに、彼女の手を借りずに起き上がった。
「つれないですなぁー」
突然後ろからタックルしてくる人と安易に交流を結びたくないもんでな。
「そー怒るでないよ」
柔らかい笑顔で僕の逞しくもない胸板を軽快に叩いてきた。
どこまでも馴れ馴れしい。
まぁ、もういい。
いったい僕に何の用だ? この無礼女郎。体当たりまでしておいて何の用もありませんでしたじゃあ済まないぞ。
「んー? 用って程の用じゃないんだけどねぇ」
ほう。
「ただ、」
彼女は無邪気な笑みから、妖しいものへと変わる。
そして合掌、ではなく、左右それぞれの指の腹を合わせた。
「最初に言ったように、貴方はお歪みさん」
………
「つまり、貴方は歪んでいるのよ」
滅茶苦茶な髪をしているお前に歪んでいるなんて言われたくねぇ。
だいたいだ。
僕のどこが歪んでいるんだ?
「あんなことをしてながら自分は真っ当だとでもいうつもりですか?」
笑みは妖しいものから無邪気なものへと戻った。
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