第一章

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なるほど。 そうやって人を騙しているわけか。 しかし、話が見えないし進まないな。 話の方向を変更するか。 僕が歪んでいるからといって、お前は僕にいったい何の用だ? 迷惑でもかけたのか? 「いえ。かけてませんよぉー」 締まりのない弛みきった笑顔を振りまいてきた。 ちょっと殴りたい衝動に駆られたのを顔から表出しないように顔面の表皮に命令する。 「あはっ! もしかして私を殴りたくなっちゃいましたか?」 あははー、そんなまさかぁ。 誰だ。 男は女を殴っちゃいけないって言った奴は。 代理で殴られろ。 要するに、大した用も証拠もなく人を歪んでいる扱いし、タックルしてきたわけか。 おっと。 こめかみの血管が呼んでもないのに主張を……欠陥品かな。 病院へ行けばメンテしてもらえるだろうか。 ……話を戻そう。 それで、結局お前の目的は何なんだよ? 「簡単ですよ。貴方の歪みを解消しに来たのです」 ………は?  
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