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「やあ、莉奈。君が淋しがっていたから思わず来てしまったよ」
男は、片手に巨大なハサミ、もう片方の手にはなんと…スタンガンを持ちながら、両手を広げて笑顔で歩み寄って来る。
ヨウ君助けて助けてー!!!
私は、片道2時間もかかる実家に住んでいる、弟の遥滋(ヨウジ)に心から助けを求めた。
無理だとわかっていても、彼氏すらいない私にしてみれば、仲の良い弟が唯一の相談相手だったからである。
今日は、ちょうどこの男…ストーカーらしき男の存在を相談していた。
弟は親身になって、警察に一先ず相談するよう、必要であれば自分も一緒に行くから、と提案してくれた矢先だった。
「俺のプレゼントしたテディベアは…どうしてゴミ箱に捨てられているんだい?」
男は目敏く、先程風呂に入る前にゴミ箱に捨てたテディベアを見つけ、怒りの形相で私を睨みつけた。
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