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私の身の回りで気味の悪い出来事が始まったのが一ヶ月前。 弟は、「一ヶ月前に、何か普段と変わった事はなかった?」と聞いてきた。 私は懸命に記憶を手繰り、そういえば…と、ぬいぐるみの話をしたのだ。 一ヶ月前は、ちょうど私の誕生日。その日に小包でテディベアのぬいぐるみが贈られて来た。 私は一目で気に入り、名前をつけ、ベッドの上に置いて可愛がった。 贈り主の名前がなかった事は、書き忘れてしまったのかな、としか思わなかったのだ。贈り主から、届いたかどうかの連絡が来たら、お礼を言えばいいや…と考えていた。 ヨウ君は私の話を聞いて、「それ、明日絶対に捨てた方がいいよ。」と言った。 「盗聴器とか、仕掛けられてるかもしれないから。…ああ、だとしたら、警察に行く時に一緒に持って行って、調べて貰った方がいいかな。」 そう続けて言うのを聞いて、とてもじゃないが、もうベッドの上の定位置には置いておく気になれなかった。 その後、思わずゴミ箱に投げ捨ててしまったが…どうやら男の怒りを買ったようだ。
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