#01 セイギノミカタ、囚われる。

4/16
前へ
/25ページ
次へ
「ひどいや、二人共……、おれを置いていくことないじゃんかぁ…………」 乾いた喉から、嗚咽が漏れる。 涙腺が弱いのか、とめどなく流れる涙が頬を伝った。 あぁ、もう嫌だ。 誰か来て、誰か誰か。 早く出たい、早く出たいよ、こんなとこ。 少年は周りも気にせず、床に膝を着いて泣きじゃくった。 「……バンチョっ………あーく、ん……とーちゃん、かーちゃん…………」 「……御形正義くん、だね」
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加