#01 セイギノミカタ、囚われる。

6/16
前へ
/25ページ
次へ
「おじさ……、私まだ25なんだけど………」 男の表情が凍りついた。ピシッという効果音まで聞こえたような気がしたが、空耳だろうか。 顔色が、みるみる内に青ざめていく。 「日頃の行いとその無精髭とジェイソンの呪いですね、私にその呪いが移らない内にとっとと死んでください」 止めをさすのかのように女の人が冷たい目で男を睨んだ。 美しい顔立ちが冷ややかな視線を引き立て、言い様のない恐怖を呼び起こしている。 この人には逆らってはいけない。 背中の悪寒と、彼女の男とは別の意味で凍った表情から、脳がそう警告した。 が、それと同時に何かが引っ掛かる。 この2人を自分は知っているような、そんな気がした。 「人の命を救う看護師が死ねなんてとんでもない暴挙だよ、チャッキーくん」
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加