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「何をおっしゃるんですか。今の時代、何処の業界も救うことより殺すことの方が多い時代ですよ。ここんところの医療機関だって──」
「いや、そんなことないから、目の前の純粋な子にガセを吹き込まないで」
男はなんとか女性が言わんとした言の葉を防ぐと呆然とする少年に振り返った。
「…………っと、まあすまない。自己紹介しておかないとね」
二、三歩程歩みよると、自分の胸に手を当て、
「お兄さんの名前は、薮田博士。君の担当だった砂川先生が異動されたので、代わりに受け持つことになったんだ。宜しく」
『お兄さん』の部分をやたら強調して、右手を差し伸べた。
「で、こっちのお姉さんはぼくの助手を勤めてる看護婦さんだ。チャッキーって呼んであげてね」
「先生、私は最近あなたが医者よりも射撃用の的の方が適職ではないかと思えてなりません」
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