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受け付けで簡単な手続きを済ませ、中央にあるエレベーターのボタンを押す。
誰も使ってなかったらしい。待ってましたとばかりに扉が開いた。
「この時間帯は、人が少ないから助かるよ」
お昼時だからだろう、エレベーターに乗り込んだのも、アールヴただ一人だけだ。
人が多い場所は好きじゃない。
英国人の父から受け継いだ金髪と色素の薄い瞳は良くも悪くも目立ってしまう。
おまけにアールヴは童顔と言えばそれまでだが、黒目がちの大きな目が特徴的な、よく整った顔立ちをしているので尚更人目を引いた。
しかし、注目されるのが苦手な当の本人にとって、大勢の人間からじろじろ見られる事は苦痛よりほかない。
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