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イーターは、餓えていた……
アカネの仲間になってからは、まさか優しい彼女の目の前で《喰う》わけにもゆかず……餓えていた。
しかし、喰魔としての本能は、獲物を求めて止まない……
やがて、仲間入りしたばかりの幼い悪魔、スタにばかり目が行ってしまうようになった。
「美味しそう」
満足な喰事はいつ以来だろう。
「美味しそう…」
ふらふらと無意識に近寄ってしまうのを堪える日がつづく。
「美味しそう!」
日々、喰魔としてのサガが身を苦しめる。
……ジワジワと……
「美味しかった!」
ああ!!ついにやってしまった!
悲劇は起こるべくして起こってしまったのだ……
後悔してももう……
皆は、残されたフォークを見ればきっと気付くだろう……。
もう……ここには居られない……
「ごめんなさい。アカネちゃん……」
イーターは、そう呟くと闇の中へと姿をけした。
-この世は魔界-
抗えきれぬ魔性の世……
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