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「そうだな……七宮は怒らせると怖い男だ。前にお前を門限までに帰さなかった時のあの怒りよう……今思い出しても身震いがするよ」
魏戎がそう言ってクスクスと笑ったその瞬間、軽やかなメロディーが辺りに響き渡った。
「……噂をすればなんとやらだ」
机の上で煩く鳴り続ける私の携帯を見て、魏戎は眉を顰めて見せた。
携帯の小さな液晶には……《お父さん》の四文字が、はやく電話に出ろとばかりにチカチカと点滅している。
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