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第一章 月夜の鬼
生温かいアスファルトの上を少し早足で家へと向かって歩く。
友達と学校の帰りに寄り道をしていたせいで、辺りはどっぷりと日が暮れていた。
腕時計を確認すると、すでに時刻は八時四十八分を過ぎようとしている。
……うわ~、遅くなっちゃった。
……お父さん、絶対に怒ってるよ。
色々と口煩い父は今頃玄関で、顔を真っ赤にして私の帰りを待っているに違いない。
帰宅後の父の怒声が早くも頭に響き、大きくため息を吐いた。
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