転校と今日

10/11
前へ
/114ページ
次へ
「あ、莉央もおいでよ。」 満里奈に引っ張られながらも 私は教室の窓から顔を出した。 「あっ・・・あいつ」 (さっきあたしのことを) 「ん?どうかしたの莉央?」 なんともさっきとはまるで別人のように笑顔を まきちらしながらそいつは 2年の廊下を歩いていく。 そいつがあたしに気付いたのか こっちにやってくる。 (ん?さっきの仕返しか? やれるものならやってみろ!) 「君が転校生だね。この学校は気に入った?」 …………………は? 保健室の時とは全然違う態度を 見せつけられた私は思わず 「きもちわる」 そして後ずさりをしてしまった。 当たり前のごとく視線の痛さを 再びこの時味わってしまった。
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加