始まりの記憶。

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夏…。 「ミーン ミーン ミー」蝉の鳴く声。 「ドンッ!ドンッ!ドンッ!」 響きわたるドラム音。 「わー!きゃー!」 人々の熱い勧声。 俺達…?いや私達は、夏の野外フェスティバル。 「ロック&ラン☆フェスティバル」 の夢にみたステージに立とうとしていた…。 このステージに立つまでの道のりを描いた5人の物語である。 その始まりは、さかのぼること約2年前、まだ高校に通っていた頃になる…。 ……。 「青い空、白い雲、それに心地いい風、なんて平和なんだ…。」 学校の屋上のベンチ、寝込んでいたのは、俺、"綾部つばき" つばき「はぁ~あ。今日も平和すぎるなぁ~…。」 それでも俺は、毎日の代わり映えのない、高校生活に、ちょっと飽き飽きしていた…。 何かやりたいという気持ちも忘れて、ただ時が過ぎるのを、待っていた。 …そんなある日。 屋上のドアを開ける音。「ガチャ!」 一人の女子生徒が入ってきた。 女子生徒「ちょっと~もう少し詰めてよねっ。」 つばき「!?あ、あぁ…悪りぃ…。」 ガバッと起き上がった。 そして、ドカッ!とベンチに足を組み座る女子。 つばき(な、なんなんだぁ~) その女子は、耳には、ピアス、それに、茶髪に、短いスカート、見るからに派手だった…。 そして、携帯で、何やら言い争いをはじめた…。 女子生徒「…。だから、そうじゃないって言ってるでしょ! もう知らないんだから、じゃあね、もう電話かけてこないでよねっ!サヨウナラ!」 ………。 何か気まずい雰囲気なので、俺は、そっとその場を立ち去ろうとした…。 女子生徒「ちょっと、女の子が一人落ち込んでんの…。一人にしないでよね。」 つばき「えっあ、うん。」 …しばらく沈黙が続いた…。 つばき「な、なんかすごかったね、今の電話…。」 (なっ何、聞いてんだ俺!?そこは、普通スルーだろうっ。汗") 女子生徒「何か…。だんだん、むかつくいてきた…。」 つばき「えっ!?」 女子生徒「何で、わかってくれないのっ!…ほんと男子って、意味わからない。そう思わない?」 つばき「えっーと…。」(俺も男子なんだけどなぁ~。) 女子生徒「世の中には、さあ、"愛"が足りないって思うのよね。」 つばき「はぁー?愛ですか…。」 女子生徒「そう。"愛" 私が言ってるのは、あんたや、普通の人が、言ってる"愛"じゃないんだよね。こう何か…深いのよねいろいろと!」
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