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「何驚いてんねん」
拓磨がひょいと横から顔を出し覗き込んで来た。
「やっぱお坊っちゃん学校なんだな」
「まぁな、結構世界的に有名な財閥とかの息子とかも通ってるしなぁ。いやぁ、凄かね」
因みにいかにも自分庶民です的な発言をしてるコイツの親は父親が世界的に有名な建築士で母親がデザイナーらしい。…お前もかよ。ってか産まれも育ちも東京なのに何故にその微妙に変な方言を使うのかと聞いたが、奴が言うにこれがお洒落らしい。さっぱり意味がわからない。
「……ろ……隆弘っ」
「へっ??何だよ」
「何だよじゃないやろ。何さっきからボーッとしとるねん。はよ、席座ろうや。入口でずっと立ちっぱなしだと後ろに迷惑やろ」
言いながら俺のすぐ後ろの入口を指差すとそこには何人か人が並んでた。
「やば、すいませんっ」
「ドジっ子隆弘やでーw」
「あはは、死ねば」
慌てて自分の席に向かいながら隣でケラケラ笑っている変人に笑いながら一発腹に拳を叩き込む。
ぐほっとか変な音が口から聞こえたが、そんなもんは知らん。
うずくまりながら震えている拓磨に案外弱いかもコイツと思いながら置いていった。
「ひどいわなぁ、隆弘は。俺を見捨てよった」
しくしくと泣き真似をして目を両手で隠しながら隣に座る拓磨にふと疑問がわいた。
「何でお前、席隣なんだ??」
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