ナルシーくん

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チッチッと舌打ちをして俺に微笑む。 「甘いわね隆ちゃん。何と言っても、あそこは金持ち学校。玉の輿に乗れて彼氏が超美形!!これ以上良いこと何て無いと思いなさい!!」 「いや、別にってか玉の輿とかそれ普通女に対して言うだろ」 「とにかく!!萌えを提供してねっ」 キラッと効果音がつく様な笑顔で微笑んできた。 まず姉貴が言う萌えって何だよ。俺、ぶっちゃけ平凡だから無理。ってか普通に女好きだしさ。 はぁと溜め息をして荷物を持つ。 「取り敢えず、今度は夏休みに帰ってくるから」 「分かってるわよ。気をつけてね」 二階の自分の部屋から降りて玄関に向かう途中でリビングに寄る。 「母さん、父さん行ってくる」 仏壇に手を添えながら言う。 俺の両親は昔、事故で亡くなった。 その後は全部七歳も離れてる姉貴が世話をしてくれた。 学費が桁違いに高い桐原学園に入学出来たのも姉貴のおかげ。 何でもBL作家で成功したとか何とか。
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