プロローグ

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ーー日付が変わるまで残り10秒 ( ^ω^)「さてと、本当は門に陣取ってる奴らを皆殺しのつもりだったけど1人しかいないんじゃしょうがないお。サムライさんを殺ってから片っ端から窓でも撃つかお?wwwww」 笑みを保ったまま照準を男の頭部に向ける。肝心の男の方はのんきに先程買い出しに出されていたらしい男から受け取った缶コーヒーを開けている。 ーー日付が変わるまで残り5秒 ( ^ω^)「こういう時は…こんなセリフがぴったりだお。『その綺麗な顔をふっ飛ばしてやる!(キリッ』wwwww」 ーーそして日付が変わる瞬間。 狙撃銃の引き金が引かれ、弾が打ち出される。音を置き去りにし、銃弾は缶コーヒーを口につける男の額へ一直線。後は男の頭がトマトの如くはじけるだけである。 ーーそしてその予想は全く予期せぬ形で裏切られる。 この時引き金を引いた彼女は銃弾の行く先を見続けていた。 と言っても別に当たったかどうかを見るためではない。彼女は自分の射撃・銃撃には絶対の自信を持ち、現にそれは周囲からも認められている。だから狙いを外す事など有り得ないし、実際銃弾は狙撃地点から300M程しか離れていない男の額へ新たな日の最初の1秒より短い時間で寸分狂わず飛んでいく。 見続けていたのは単に気分であった。この奇妙な男の死に様を見届けようと思っただけ。そんなことを考えていた彼女の視線の先でーー ーー男が銃弾をも貫く様な眼光で睨み返した。 直後、右手に持っていた缶コーヒーを離し、それが1センチ落ちるより早く左腰に差した日本刀の柄を掴み、 銃弾を真っ二つに切り裂いた。
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