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「え?」
突然の提案に戸惑う。
「だーかーら、
誰か殺させて?」
ニヤニヤしながら幽霊は見ている。
「誰か殺したいの……?」
「いんや?きまぐれ」
どうやら怨念や未練でも何でもなく
ただ"殺したい"らしい。
「ほらほら早くしないと落ちちゃうよ?」
幽霊の言葉通り私は徐々に落ちていた。
「ま、待って……!
そんなこと急に言われても……」
そんな提案をされて決められるはずがない。
ぐるぐると思考が頭を巡る。
誰かをコロス?
自分が助かるために?
生きる価値のない私のために?
「どうする?死ぬのがやなんでしょ?
じゃあさ……」
ガラリ
不気味な音をたて
しがみついていた岩が剥がれ落ちた。
私はそのまま岩ごと下へ落ちた。
「いやぁぁぁぁぁぁっ!!」
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