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まず目に付いたのは花束。
おそらく今まで逝った人たちの遺族がはなむけたのだろう。
「私もこんな花束もらえるかな」
切なく悲しいはずのその花束が羨ましかった。
私の記憶が正しければ私にこんな花束をくれる人はいない。
いてもそれはポーズでフェイクだろう。
ザッバァァァァン
波が下の岩にぶつかり砕ける音が響く。
おおよそ高さ15m。
学校だったら5階の屋上程度の高さ。
「間違いなく死ぬなぁこれなら」
波の砕ける音を聞きながら私は人生を反芻した。
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