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廃墟を後にした犬丸が運転する貨物トラックが米軍基地正面口に着くと、犬丸は「ボガード司令官に荷物が在るのです」とニコニコと人懐っこい笑顔で守衛に話し掛けた。
二人の守衛は顔を見合わせ「こんな夜更けに基地司令官宛に荷物?聞いてないぞ」「怪しい奴だ…荷物を改めさせてもらう」と犬丸を問い詰める。
すると犬丸は伝票を見せながら「これがボガード司令官が通信販売で頼まれた品物の伝票です、遅れたのは昼間に起きた宝石店強盗事件であちこち検問だの職務質問だので予定時間を大きく下回ったんですよ…旦那方信じて下さいよ」と泣き付く様に食い下がった。
「念のため司令官に連絡をしてみる…暫く待ってろ」
守衛の一人がゲート備え付けのインターホンを使い司令官に連絡を付け始めると「失礼しましたどうぞお入り下さい、荷物は第三倉庫に運べと司令官から承ってます」と敬礼しながらゲートを解放した。
犬丸は運転席から守衛に「毎度~」と手を振りながら基地内にトラックを走らせ、指示のあった倉庫を目指した。
一方、基地司令官のボガードは荷物到着の知らせを受け意気揚々と第三倉庫を目指し歩いていた。
彼は半年前に本国から横須賀基地司令官に就任してから『司令官権限』で倉庫を一つプライベートで使用していたのだ。
彼は第三倉庫を密かな趣味ジャパニメーションのグッズ収集保管用に使い、倉庫内には美少女アニメのフィギュアが陳列され中でも等身大のフィギュアは厳重に保管していたのだ。
今回の荷物も彼がお気に入りの美少女アニメ『ミラクルプリンセス』の等身大フィギュア、周りに威圧感与える様な顔で歩きながら内心は『早く眺めたい』『陳列したい』と密かな楽しみに心を踊らせていた。
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