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「なあ勝島。」
再び勝島に回線を合わせると、なんだ。と以外と暢気な声が返ってきた。
「嵐の予感を、渡り鳥は感じるそうだが。お前はどう思う?」
返事はなかった。
俺のこれはまさしくその、嵐の予感ってのに違いないんだろう。
エレイドは続くはずだった言葉を、心内に浮かべる。
「東亞アームズ工業に到着した」
「いいかエレイド、エネルギー炉は地下の搬入路の先だ。」
ゆっくりとフライヤーは舞い降りる。
暗い駐車場には、唯一予備電源で灯った電灯が助けをもとめる様に浮かび上がっている。
ホログラムの地図を取り出し、自分を表す青い矢印を確認し、赤くラインの引かれた方向に向かって歩き出した。
500mと思ったより割りと短い。
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