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建物の入り口に着くと、長い奈落の様な階段になっていて、降りれば再び闇が待っていた。
暗い闇とそれを僅かに和らげる電灯の中、高過ぎる天井とほんのりぼやける壁の中。
ホログラムに照らされ一人で進む。
表示される情報で、高さは30m、幅は45mだとわかったが…エレイドは2、3度平衡感覚を失いそうになった。
350m…広く深い道は終わり、いつしか壁がパイプで埋め尽くされた廊下にぶつかった。
廊下としての体制をどうにかとれている以外、大も小も問わずに好き勝手に伸び、絡んでいるパイプに息苦しさを感じながら、実際に暑苦しい熱気が伝わっているのがわかった。
このパイプはエネルギー炉の一部だろうか。
胸に使えた何かを吐き出す様にため息をひとつ…
しかし何も変わりはしなかった。
苦しいながら、先に進む。
途中、パイプのステータスをチェックする小端末やホログラムが赤々と道を照らしている。
ゆらゆらとした蜃気楼を掻き分けて、エレイドはいよいよ目標地点にたどり着いた。
「くそ……どういう事だよ…」
その場所は、廊下にしては極端に広い丸い部屋で、モニターの赤い光で炎に包まれた様に真っ赤だった。
その中心から真上に伸びて、さらにパイプを天井に張り巡らせた巨木の様な物体があった。
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