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「ちょっとは何とかしようって思わないのか! お前も軍人を目指すなら……」
ものすごく注目されてるのに、彼女は気にしないで僕に向かって叫ぶ。そこで僕はようやく説教されているんだって気付いて、またきょとんとした。
だって初めてだったんだ。見知らぬ相手に説教するとか、そういう人に会うのが。そんなおせっかい焼きというか、面倒になりそうな事をしちゃうような人、初めてで。
僕に怒鳴るように説教を続ける彼女はとても輝いて見えて、とても素敵で、僕は急に彼女の事が気になった。
名前はなんて言うんだろう。同じ学年なのかな。クラスはどこだろう。好きな物は――
そんな事を考えていたから、彼女の言葉はあまり耳に入らなかった。それが今はもったいなく思う。
「分かったか!」
最後にそう言われて、僕はつい頷いていた。彼女は満足気に頷いて、きびすを返してどこかに行ってしまう。
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