181人が本棚に入れています
本棚に追加
そこで声をかけられればよかったんだけど、僕はうっかりぼうっと彼女の背中を見送ってしまって。
……いつかまた会える機会もある、なんて思ってたらすぐにここに来る事が決まって。結局彼女の事は何も分からないまま。
あの時声をかけられていたら、最低でも名前だけは分かっていただろうに。そうじゃなくてもここに来なかったら彼女とまた会えていたかもしれないのに。
たまにそう思うけど、時間はやっぱり巻き戻らない。後悔はしてないけど、たまにああすればと思う事がある。せめて彼女と話してから来ればよかったって。
それでもこれは僕の一番大切な思い出。
それまで他人にあまり興味を持たなかった僕が、初めて興味を持てた、……初めて人を好きになった大切な思い出。
もし、また彼女に会えたら。
僕は彼女に恋をするだろう。
最初のコメントを投稿しよう!