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「ま、良いからさ、何考えてたのか教えろよ!」
コイツは一回でモノを聞くことは出来ないのか・・・・・・?
「何でもないものは、何でもない。それ以上に説明しなくたって良いだろ?」
おっと、説明していなかったが、ここは東京にあるレコーディングスタジオだ。曲の編集はここか、イギリスのAbbeyRoad Studio(アビーロード・スタジオ)位だ。
アビーロード・スタジオは、俺、そして俺の父親が「一生で一回は行きたい場所」のうちの一つで、あのビートルズが使っていた場所だ。ビートルズの4人がビートルズとして作った最後のアルバムのジャケットとして使った横断歩道を歩いている写真はとても有名だ。そこで写真を撮る日本人観光客が必ず居るらしい。そして、その横断歩道はビートルズのメンバーだったPaul McCartneyとRingo Starrが生きているのに、世界遺産となったニュースは少し俺には複雑な思いにさせた。
と、まぁどうでもいい話をまた挟んだが、気にしないで欲しい。
「どうした?またお前黙り込んで・・・・・・熱でもあんの?それとも俺に惚れた?」
ちっ、また余計なことを言いおるわ・・・
「やかましいわ!!」
渾身の卓の額へのチョップ。
「それより・・・今度のツアーはどうする?行き先は?ま、まだ1年在るけど」
俺は何事も無かったかのように卓に話す。
「いって~・・・。そうだな・・・。またダーツで決めるか?」
そうそう、卓も言ったが、俺達のバンドは行き先をじっくり考える事はない。あんまりだって?こんなもんなんで。
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