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「アンダンテ」。これは、俺がまだ自分の事を「僕」と呼んでいた頃に作った曲。人生初だ。 当時、俺が抱いていたジャズに対する考えは、「奥が深い。」という、そんなこと位しか分かっていなかった。 ピアノとベース、サックスなんかのフロントサウンド、ドラム――この4つの音を絶妙な感じにわざとずらして音を鳴らすタイミング。その音だけ聞いていると明らかに不協和音なのに、その音は曲の中でのアクセントとして難無く溶け込んでいる。これがジャズを演奏する人間にとって醍醐味なんじゃないかと思っていた。 そんなことはずっと考えていても、分かってはいるけども、出来なかった。音を見つけられなかったから。
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