第1話 鈴厘神社

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ちりん………… むぅ……と考えていると、今まで無音だった空間に澄んだ鈴の音が響く。 自分の服が擦れる以外の音に少し驚いてしまった。 鈴といえば… スカートのポケットに手をあてると、お婆さんから貰った鈴に気付く。 取り出して、ちりんと鳴らしてみる。 綺麗な音に不覚にも癒されてしまう。 鈴厘の神様はいったい、何を与えてくれたのだろ? 与えられる前に奪われた気がするのは気のせいだろうか。 もう一度、ちりんと鳴らした。 ちりん、ちりん、ちりん。 「あれ?」 もう鳴らしていないのに鈴の音は鳴り続ける。それも複数の音。 反響しているのか?と思うが、ただならぬ予感がする。 バチンッ!!! 「!!」 何かが破裂したような大きな音して、驚いて思わずぎゅっと目を瞑る。 何が起こったかと考えを巡らす前に体に異変が起きた。 浮遊感が無くなり、どんっと背中に固い衝撃を受ける。 「いったぁ…」 何が起こったのだと思い恐る恐る、瞼を上げると見えた色に言葉を失ってしまった。 人生最後に見たはずの色。 私は茫然と澄みきった浅葱色の空を見続けた。  
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