第1話 鈴厘神社

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親友とも言える仲の彼女がこよなく愛す新撰組だからと、私も好きという事にはならない。 興味の無い話をちゃんと聞くのは大変で、毎回聞きながしている。 友達としてどうかと思うが、紗季も相槌をすれば十分だと言っているのでお言葉に甘えることにしてる。 「でな、烝さんって……」 そんな私にお構い無しに話しを続ける紗季。 こんな彼女だが根はとても良い子だ。 前に私が風邪を拗らせて寝込んだ時は風邪にはビタミンCや!って沢山の蜜柑を片手にお見舞いに来てくれたり。それは予防では?と思ったのは内緒。 「それでな、山南さんは……」 へー、と適当極まりない返事をする。 毎度どこから情報を仕入れるのか不思議。というか、よくそんなに覚えていると感心してしまう。私でも授業で習った事の半分程度しか覚えていないに。 「……で切腹しちゃうんやけど……」 ただ腹を切れば切腹と思われがちだけど、作法も色々あって腹を切る意味が違えば呼び方も違う。一般的に責任をとって腹を切るのは詰め腹と呼ばれる。 まあ、こんな事を知っている自分もどうかと思うが…… ふぅん、とまた適当に返事をしようとした時だった。 ちりん……ちりん…… 鈴の音が聞こえた。  
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