幾 度 の 冬

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窓から見える真っ白な雪。 あの白銀の世界に飛び込んで行けたらどれだけ楽になれるんだろう? ――ガラガラ―― ソッ、と窓から音のしたドアに目を移すと、小さく微笑む黒髪セミロングの女性。 「美冬、調子はどう?」 “美冬”とは私、近衛美冬(コノエミフユ)のこと。 そして私を呼んだのはお母さん。 「今日は、結構いいかな…」 「そう…よかったわ……」 私は小さい頃から身体が弱く、入退院を繰り返している。 今も病院のベットの上で窓の外を眺めているところだった。
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