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( ^ω^)「……」
部屋を出た彼女はマンションから離れ、あてもなくぶらりぶらりと歩く。周りには工場跡地などしかなく、娯楽やコンビニなどは一切ない。辺りに音は無く、建物は闇に呑まれている。そのため身を隠すには丁度よかった。
彼女は裏道を歩きながらショボンの言葉を思い出していた。彼が激昂したのはびっくりしたが、少し考えればわかっていたことだ。彼には殺す側としての礼儀を第一に考え、殺す相手にすら感謝をする。
そんな彼が言ったことに何か間違えがあったのか。いや、違う。間違えは彼女なのだから。己の都合で人の命を奪う。昔なら絶対しなかったことだ。
しかし、彼女はそれをした。
仕事がつまらない。退屈なのだ。
たった一粒の鉛で人は死ぬ。
いつも物足りない。
いつも満たされない。
彼女は強者を望んでいた。より楽しく仕事が出来るように。そして自らの心に空いた穴を埋めるために。
強者を求める彼女は
( ;ω;)
ただ孤独で寂しいのだろう。
彼女はいつの間にか泣いてることに気付いた。涙を流すのは何年振りだろうか。人が居ないとは言え、彼女は恥ずかしくなり慌てて両腕で涙を拭く。
( ^ω^)「……」
悩み、苦しむながら彼女は空を仰ぐ。濁った空には半分にかけてしまった月が浮かんでいた。
それはまるで彼女の心のように
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