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「ありがとだお」
ボクは長年愛用している二丁の拳銃を持ち上げる。重量感あるそれは鈍く光っている。それを腰のホルダーに納めた。
「……ねぇ」
「あんだよ」
正直不安だった。今回の【お仕事】は国のお偉いさんの【暗殺】。この日のために毎日血の滲むような訓練をした。が、相手には当然凄腕ボディーガードがいるだろうし警察もいる。もしかして情報にないようなことがあるかもしれない。
生きて帰れるだろうか?
「……いや、なんでもないお」
しかし今更だ。彼に言って何になるのか。止めるわけにはいかない。
ボクは彼に背を向け歩き出す。
彼は何も言わない。
扉が近づく。
不安が募る。
扉に手を掛ける。
泣きそうになる。
扉を開ける。
彼が言う。
「お前誕生日だろ? 帰ったらケーキだ」
……。
( ^ω^)「……苺のショートを要求するおww!」
ボクは、笑った。
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