ボーイ・ミーツ・ガール

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キーンコーンカーンコーン 鐘の音が授業の終わり、そして昼休みの始まりを告げた。 昼休みは俺にとって至福の時間だ。退屈な授業で疲れた体を癒やす時間だからな。 でも――― 「朝倉くん、良かったらお昼ご飯ご一緒していい?」 「朝倉さん、ご迷惑でなければお昼を一緒しませんこと?」 「朝倉ー、一緒に飯食おうぜー」 頼む俺に話しかけるな・・・つい手が出て絞め殺してしまいそうなんだ。 「すいません、今日は先約があるから・・・また今度」 と俺なりの限界の笑顔(多分引きつってる)で答えて教室を離れた。後ろで女たちの黄色い声が聞こえたがこれもいつものこと。 「それより早く行かねぇと」 曜日によって変わる仲間との集合場所。今日は月曜日だから・・・ 「・・・屋上か」 相手を待たせないためにも、俺はやや早足で階段を駆け上るのだった。
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