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3月16日、土曜日。
俺、清水粛也(シミズシュクヤ)は目覚めた。いや、目覚めたというより目覚めさせられた、目覚めざるを得なかった。
だって…ねぇ……。
いくら3月、暦の上では春を名乗ろうとも、実際まだまだ冬が過ぎ去ったという感覚はない。むしろ冬の最後っ屁なんじゃないかと思わせるほど、2月よりも厳しくなった気さえする。
そんなわけで、夏生まれのせいかとりわけ寒さに弱い俺は、昨夜、暖房のタイマーを、翌朝暖かな空気のなかスムーズに目覚められるようにセットしていた。
ところがどっこい翌朝。
俺は寒気とともに目覚めた。人間寒さを感じると眠くなるというが、俺は通説に反し、寒さをもとにして起きてしまった。
俺なら雪山で遭難してもなんとかなりそうだ、などと文字通り寝呆けたことを考えつつ、俺は目を開けた。
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