恋のキューピッド、来襲

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知らない天井だ…。 水色を下地として所々に白い不規則な形をした塊が描かれている。…てゆーか、 これ空じゃね? 俺は驚いて体を起こした。知らない天井どころか、天井すらなかった。 いや、起き上がって周りを見渡して初めてわかったが、 俺の部屋、床しかなかった。 もちろんこれは、俺は実はホームレスでろくに学校もいけない同情されるべき人間であることを隠喩的に表現したわけではない。 本当に俺の部屋のみが、我が家のテラスと化してしまっているのだ。 ふっ、道理で寒いわけだぜ。 やれやれだぜ、とでも言いたげな雰囲気をかもしだしている俺だがもちろんこんなクールなキャラでもない。 人間自分の想像を超えた事態に出くわすと、自分の想像をさらに超えた態度をとってしまうものなのだ。 そしてすぐに化けの皮をはがす。 「さみいぃイィィイ!!!」
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