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「展望台下」
走る車の中、ケイタイを見ると、22時前だ。
運転をしてたのは昔からの男友達Aで、助手席にはそいつの彼女Bがいる。
俺は、後部座席でケイタイを見ている。
A:「どこ行く?」
俺:「…行くとこないもんなぁ」
しばらく沈黙が流れた。
B:「あの山行ってみたい。」
A:「じゃ、決定やな。」
車は補整された山道を登り、展望台に着いた。
展望台上には、カップルが何組もいた。
俺達は、展望台下で、喋る事にした。
…どのくらいの時間だったか、5分?、10分?、俺の後ろに嫌なモノを感じた。
ただ、振り向きたくなかったのは、確かだ。
その嫌なモノは、柱の影から、こちらを覗いていると、感覚的に分かった。
徐々に近づいてくるのが、そういう体質のBを見ても、明らかだった。
俺:「この状況はまずいよな。」
B:「うん、ヤバい。」
A:「んっ?何が。」
俺:「…俺の後ろに、いるんだわ。帰るよ。」
俺達は、慌ただしく車に乗り込み、そこを去った。
恐る恐る展望台方向を見てみると、黒い人形の何かが、動いていた。
あれからは、あそこには行ってないけど、二度と行きたくはない場所の一つです。
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