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[翌朝]
ピンポーン
チャイム音だ。
「はいはい。」
玄関の扉を開ける
「お向かいに来ました。」
SPW財団の人だ。
ちなみによく会うから名前も知っている。
皆【田所】と彼を呼ぶ。
そう呼んでも訂正されないので自分もそう読んでいた。
「いつもすいません・・・」
「いえいえ、宗一郎さんからの頼まれ事ですから。」
宗一郎さんは人望が厚い、見習いたいものだ。
「さぁ早く乗って。」
「ありがとうございます。」
申し訳ないが甘えさせてもらい乗車する。
「あの、学校に連絡は・・・」
「あぁ、今朝しておいたよ。昨日も風邪で休んだんだって?」
「はい。」
「ズル休みはどうかねぇ・・・」
「ズルじゃないかもしれないじゃないですか!」
「ズ、ズルなんだ・・・」
「はい。」
「・・・」
「着いたよ。」
「ありがとうございました。」
「いいって。じゃあね。」
そういうと田所さんは角張った乗用車で去っていった。
世界中に名を轟かしているSPW財団、群馬県にも小さいながら支部がある。(というか偶然、群馬県に支部があったから、群馬県に引っ越して来れたのだろうが、そう日本の各県にある訳じゃあないだろう。)
五階立ての小型ビル。といっても周りに大きな建造物がないから十分大きく見えるのだが。
ドアを開け中に入り(よく来るので社員とは顔見知りであった)、義父が待つ五階へと行こうとする。
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