輝きは君に

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突き刺さるような陽射し 澄んだ海 珊瑚礁 なんかカラフルな魚 を期待していたが、生憎の超が付く程の悪天候。 「ここ沖縄ですか?」 「西表島だ。」 「なんで西表島なんですか?」 「ここの近海には(8キロ程あるが)イルカが頻繁に出る。それに原生生物自体も研究対象物だ。」 「さ、さいですか・・・」 「では、こちらがお荷物です。」 SPW財団の社員が荷物を渡してくれ、俺たちを淋しい作りの港に下ろし、船を引き換えしていった。 そして港には、俺と承太郎さんがだけが残った。 しつこい様だが気まずい。 今年の気まずいランキング上半期一位をやれる程の気まずさだ。 「ん?」 視線を感じ、そちらへ振り向く。 誰であろうか。白のワンピースの少女が見えた。 髪は黒いロングストレートだ。 母の髪に似ていて悲しい思い出を彷彿させた。 だがすぐに少女は逃げるように走り去っていった。 「このままじゃあすぐに雨が降ってくるな。行くぞ。」 「・・・え?あ、はい!」 キャリーケースを持ち承太郎さんを追い掛ける。
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