輝きは君に

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別に俺はテレビで見るような豪華ホテルを期待していたわけじゃあなかった。 が 「宿泊施設っていうか、普通の家ですね。」 「期待していたか?」 斜面があまり無い屋根。 妙に多い雨戸。 玄関前のシーサー。 雨水を溜めるタンク。 パンフで見たまんまの奴だ。 「いや、別に。・・・本当に普通の家ですね。」 「住民が引っ越した空き家でな。数週間分借りるんだ。」 承太郎さんが玄関の鍵を開ける。 「雨が降ってきたな。荷物を入れるぞ。」 「あ、はい。」 空を見上げると、鼠色の雲が空を覆い尽していた。
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