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「というわけで、
今日から一年後に
お前は試験を受けなければならねー。
そして、受からねーといけない。」
バンクスは咳払いをすると、
ニヤリと笑う。
「はい!
分かっています。」
俺はヤツの姿に動揺しながらも、
触れずに
ハキハキとそう言った。
「おお!
いい返事じゃねぇか!
出来損ないよ!!!」
バンクスは、
ヒゲを指で絡める真似をする。
やはり、
触れてほしいのか?
「出来損ないですけど、
そんなにはっきりと言わないでくださいよ!!」
と、
俺はやはり
それに触れずに話をする。
「ちっ!!
気づけよ!
ボケ!!」
あ!!
馬鹿にされた!
気付いてないと思って
馬鹿にされた!!!!!!!
「やっぱ気付いてやがったか。
なら言えよ!!」
「いや、聞いてはいけないと思いまして…。
えっと……。
失恋でもしましたか?」
「してねーよ!!!!
つーか、
失恋しても、
ヒゲをバッサリ剃り落とすなんてしないわ!!!!」
バンクスは、
唾を勢いよく
飛ばしながら言う。
「じゃあ何でですか?」
いつも自慢げにヒゲを見せてきていたのに。
何故急に??
「いや、
別にたいした理由はねぇー。」
「ないんですか!!」
「まあ、何だ!
気分転換だ!」
バンクスは、
ニヤリと笑う。
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