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「はぁ…。何で俺…お前の師匠なんかやってんだろうな?」
とても長いため息を吹き、バンクスは落ち込む。
正直ため息をつきたいのはこっちだった
あんたは魔法使いで、魔法を使えるんだから…。
俺は使えねーんだぞ!
「まあ、まだ時間はたっぷりあるからな! そうだろハルト?」
師匠バンクスはモジャモジャのヒゲを指で絡める。
「正確に言うとあと1年です!」
そう。
俺はあと1年で、立派な魔法使いにならなければいけなかった。
もしなれないと魔法使いにはなれない。
永遠に…ね。その理由は…。
「俺のせいだろ。」
また読心術で心を読まれた。
だがそれは事実であり真実。全てはバンクスのせい。
「呼び捨てかよ!」
「俺の心、読まないでくださいよ!」
「うるせー。俺の勝手だろ?」
バンクスはモジャモジャのヒゲを、指で絡めたまま俺を睨みつける。
何故1年で、魔法使いにならなければいけないのか。それは全て、あのウスラヒゲのせいだ。
「誰がウスラヒゲだと!!」
「すいません。つい、本音が」
「本音かよ!!! 謝るきないだろ?」
バレたか!!
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