立派な魔法使い

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あれは、ある晴れた日の事だった。 バンクスには俺ともう一人、女の子の弟子がいた。 名前はアイシャ。水色の綺麗なショートヘアーの 女の子。 アイシャは凄く出来るヤツで、最初は俺と同じで魔法が一切使えなかったのにすぐに才能を発揮し、同期の見習いの中でもズバ抜けた存在になった。 「アイシャ、すごいな!」 「ありがとう♪」 しかも、とても優しくて可愛くていい子だった。 そんなある日、廊下でバンクスが慌ててるのに気づき理由を聞いてみた。 「俺のネズミを逃がしてしまった!ハルト手伝え!!」 「え!? ネズミ!!」 俺はバンクスの慌てようですぐに気付いた。 「もしかして、アイシャ。ネズミ嫌いなの?」 「ああ。大の苦手なんだ…。」 バンクスは、はぁーと小さくため息をつく。 「分かった。探してみます。」 何故バンクスがこんなに慌てているのか? 理由は簡単だ。 アイシャは普段は優しくて可愛い女の子なんだが 虫やネズミなどの嫌いな物を見ると大暴れをしてしまう、少々恐ろしい女の子だった。 アイシャの魔力はバンクスが認めるほどハンパないのだ。 この前だってそうだ。 三人で山に課外授業で出掛けた時、アイシャの顔に虫がついた。 その途端アイシャは魔法で山を壊滅さした。 俺はアレを見たとき、アイシャの恐ろしさを心に刻んでいた。 それがもしこの屋敷で、アイシャとネズミが、 鉢合わせになってでもみろ。 屋敷が無くなるだけではなく、もしかしたら俺らの命も…。 早く見つけないと!! 今、偶然にもアイシャはお昼寝中だ。 その間に見つけないと、ヤバいぞ! 「家具達よ。 ネズミの居場所を示せ!!!!!」 バンクスが屋敷にある家具達にそう言って、呪文をかけた。 家具達は急に動き出し、ネズミの居場所に進みだす。 「ハルト。お前は、二階を探せ!」 そう言ったバンクスは家具を追って走り出す。 「任してください!」 俺は走って二階に向かった。 さあ、どこから捜そうか。 この無駄に広いお屋敷から…。 何て……。 「無理に決まってるだろぉぉ!!!!」
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