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目を覚ますと俺は
あの大きな屋敷の
俺の部屋にいた。
「え……何で…?」
困惑した気持ちで
辺りを見回す。
これは、どういう事…?
ガチャッ
「見て分かんねーのか?」
扉を開けて、
入ってきたのは
バンクスだった。
「は?」
「だ~から、見て分かんねーのか?」
分かるわけないわ!
あ!
もしかして、あのネズミ騒動から全部夢…。
「そんな訳あるか!!!
夢だったら、
俺はすげー幸せだ!」
「だったら、どういう事なんですか?」
「あ?
そりゃあ、簡単な事だ!ただ頭下げてきただけだ!」
「えっと、師匠。
イマイチ理解できないんですけど…。」
「また魔法協会で、
働かせてもらえる事になった。
ただそれだけだ。」
「え?本当ですか?
良かったですね!」
そう。
俺は凄く嬉しかった。
なんせ、
家もまた取り戻し、
バンクスがまた職につけた。
でも一番嬉しい事は、
バンクスが元のバンクスに戻った事だ。
また魔法を習えるんだ。
立派な魔法使いになるために。
何年たってもいい。
だから、
いつか絶対になってやる!!
「………ん~。
えっと…な。
ハルト……。
それと
一つ言わなければ
いけない事があるんだが。」
バンクスはモジャモジャのヒゲを
クルクルと指で絡める。
「はい?
何ですか?」
バンクスは、
なぜか申し訳なさそうな顔をする。
「実はな…。
きちんと頭下げたんだが、最初は断られてな。
でも、お前が俺のそばにいたいと言った時に思ったんだ。
何とかして、
お前の夢である
立派な魔法使いにしてやると。」
ちょっと嬉しかったり、恥ずかしかったり。
どんな顔をすればいいのか分からねーんだけど…。
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