ささやかな幸せ

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私は吹き出した。 「本当に心当たりがないのかい?」 イユメはムキになって私の目を見た。 「ないわよ!私の子供の時はもっと可愛いかった……ハズだわ」 私は声を上げて笑った。イユメは顔を真っ赤にして抗議する。 「もう!パパってば……!!」 私はイユメを抱きしめた。優しく、ふんわりと。 「ああ、君はやんちゃで可愛いかったとも」 「いじわるね」 「知らなかったかい?」 イユメはぎゅっと私の背中に両手をまわした。 「知らない事はたくさんあるわ。 だから、教えて」 「いいよ。時間ならたっぷりある」 イユメは体を離すと、ぱっと顔をほころばせた。 「楽しみがまたひとつ増えたわ!」 二人で手を繋いで、サルサの居る城の中庭へと向かった。
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