年上な君

決心

-翌日-

「と､言うわけで俺…武之関(ﾑﾉｶﾝ)高校を志望します｡」

武之関高校とは雨遊の通っている学校だ｡

「…………あ､あぁ…､にしても昨日の今日でよく決めたな……｡
先生びっくり､つーかなんかあったんか?」

久原先生は相変わらずタバコを吸っていて………っていうか職員室なのにタバコなんか吸って大丈夫なんだろうか…｡

という疑問は置いといて今は先生の質問に答える方が先か…｡

「いえ､特に」

……あったけど…｡

ていうか､昨日のあんな事があって(ヤキモチ妬いて)アイツと同じ高校を選んだなんて言える訳がない｡

「ふーん…｡あっそ｡
とりあえず､先生は名波くんの志望高校が決まって嬉しいよ､うん」

棒読みなのは俺の気のせいだろうか?

「んじゃ､勉強頑張れよっ…ってお前なら余裕か!」

ワハハとガサツな笑い方であるが､応援してくれるのは嬉しい｡
きっと､他の先生なら「もっと上を目指せる」とか「考え直してみないか」とか､くだらない事を言うに決まっている｡

久原先生はいい先生……というか…人…だと思う｡