すれ違い

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今は十二月だ。 十二月は、三者面談や冬休みがある。 そして、受験に向かって本気に勉強しなければならない。 昨日、久原先生に武之関高校へ志望することを言った。 武之関高校は、偏差値が高くて志望者数も多い。だから合格するのには少し難しい。 さっきも言ったけれど、受験に向かって本気に勉強しなければならない。 なのに、なぜ。 「球技大会、三年C組!!!優勝するぞぉぉおぉお!!!!!!」 球技大会なんだ…。 うちの学校は今日球技大会だ。 種目は一種目だけで、今年はバスケに決まった。 クラスの中でチームを作り、各チームのリーダーがクジを引き、トーナメント戦をする。 1、2、3年合わせると何十チームとあるため試合するのには、すごく時間を使い丸一日球技大会の為に汗を流す…………、が全っ然…!!!!!! 「やる気しない………」 はぁぁ…と口から魂が出そうなくらい面倒だ。 「相変わらず、つまんなそー顔してんなーオイっ!」 この声は………… 「隼世……てか、お前はテンションが高すぎる」 「だって…おまっ、球技大会だぞ!?皆が一丸となって美しい汗と涙、そして絆が生まれる行事だぞっ」 「ははっ………テンションうざいよ?」 「傷付くよ!?……てか、最後の球技大会くらいやる気だそぜっ?」 なっ!と俺の肩に腕を回してきた。 ……体育会系かよ。 確かに最後の球技大会だ、………けど……。 ドカッ 「…!?」 いきなり肩に誰かの腕がのしかかってきた。
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